中国の王毅外交部長は9月8日、アフガニスタンに2億元(約34億円)相当の食糧、越冬用品、ワクチン、医薬品を緊急に提供することを決定したと発表しました。前日の7日にバイデン米大統領が中国とタリバンとの急接近に懸念を表したばかりでした。
米国国営放送の美国之音と米国に拠点を置く世界中の華人向けメディア世界新聞網の記事より。
バイデン大統領は7日に、記者団から、タリバンが中国から資金援助を受けることを懸念しているかと聞かれ、「中国はタリバンとの間に問題を抱えているので、どうやって対処しようかと考えています。 今後の展開が気になるところです。」
タリバンは、来るべきアフガン新政府の発足会議に、中国、パキスタン、ロシア、トルコ、イラン、カタールの6カ国を招待したとされています。
これに対し、中国外交部の汪文斌報道官は定例記者会見で、中国がタリバンの招待を受けたかどうかには答えませんでしたが、中国政府はアフガニスタンにおいて開かれた、広範な代表制の政府が形成されることを支持すると改めて表明しました。
中国政府は、タリバンが勢力を持つアフガニスタンでのテロの復活と、それが新疆ウイグル自治区に波及することを恐れており、アフガニスタン新政府に対して「あらゆる種類のテロリスト勢力と断固として闘う」こと、そしてすべての国、特に近隣諸国と友好的に共存することを求ました。
中国政府は、欧米諸国が撤退した後は、この地域での影響力を高め、さらには戦略的施設を占拠したいと考えています。
中国外交部の王毅部長は8日に、アフガニスタン近隣諸国の初の外相会議にビデオ参加し、アフガニスタンに2億元(約34億円)相当の食糧、越冬用品、ワクチン、医薬品を緊急に提供することを決定したと発表しました。
王毅部長は会議で、「 アフガニスタンは今、歴史の十字路に立っている。 米国とその同盟国は撤退し、いわゆる「民主主義の変革」は失敗に終わりました。」と述べました。
王毅部長は、「しかし、アフガニスタンは、新型コロナ感染症だけでなく、人道的問題や生活問題など、依然として深刻な課題を抱えており、 一部の国際勢力が政治的、経済的、財政的な手段によってアフガニスタンに新たな問題を引き起こす可能性があります。」
「タリバンがアフガン暫定政府の樹立を発表したが、この政権の「暫定」は、将来にまだ不安があることを示しています。」
王毅部長は、タリバンがアフガンのすべての民族や派閥を束ね、穏健で安定した内政·外交政策を追求し、テロリスト勢力を断絶し、他国との友好関係を構築·発展させるよう指導していくべきだと強調しました。
バイデン政権は、中国がタリバン政府を支援することに懸念を抱いている素振りを示していますが、中国政府はテロを断固として抑え込むために、タリバンを支えるしかないようです。
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参考記事
<世界新聞網>王毅:北京决定向阿富汗提供价值2亿元人民币援助
http*://bit.ly/3BYPTC5
<美國之音>拜登:我肯定中国会试图与塔利班做出一些安排
http*://bit.ly/3DYu1II