最近ジョージ・ソロス氏は中国投資に警鐘を鳴らし続けています。先日、習近平国家主席は市場経済を理解していないと非難したのに続き、ブラックロックが推し進める中国投資を批判しました。
美國之音を始め、複数の在欧米の漢語メディアの記事より。
米国の投資家ジョージ・ソロス氏は、習近平氏の権威主義的な支配を厳しく批判したばかりですが、6日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙に寄稿した論説で、米国最大の投資運用会社ブラックロックによる数十億ドルの対中投資を批判しました。
ソロス氏は寄稿文の中で、権威主義的な支配モデルと民主主義的な支配モデルが生死をかけた戦いをしていると指摘しています。
「今、中国に何十億ドルも注ぎ込むことは、悲劇的なミスである。ブラックロックの顧客に損害を与える可能性が高く、さらに重要なことには、米国を含む民主主義国家の安全保障上の利益を害することになります。」
ソロス氏の分析によると、習近平の抱える問題は山積しており、投資ファンドが解決できる範囲をはるかに超えています。
例えば、出生率が公式の数字をはるかに下回っていること、金持ちから奪って貧乏人に与えるという最近の「共同富裕」キャンペーンが外国人投資家に不安なシグナルを送っていること、バブル崩壊危機に瀕した不動産市場などです。
米国在住の金融メディアの王劍氏は、中国から資本が逃げ出す流れは既成事実化しており、利益追求を本質とするブラックロックは遅かれ早かれこの決定の代償を払うことになると指摘しています。
「ソロスは非常に正しいことを言っています。 中国市場から資金が引き揚げられ、中国株から資本が引き揚げられています。これがトレンドであり、その理由は中国の政治の変化であり、習近平は政治的行動がますます過激になってきています。」
中国における規制の嵐は、Ant Groupや滴滴出行のIPOが阻止されたり規制されたり、教育・研修会社が規制を受けたり、中国の株式から何千億ドルもの資金を消失させています。
米国の投資家は、中国企業の株式を売却し始めており、 ソロス氏は、ブラックロックは今でも中国と積極的に取引している唯一の企業だと語っています。
ニューヨークに本社を置くブラックロック社は6月に、中国当局から、中国初の完全な外資系投資信託会社となる承認を受けました。
8月30日、初の純外資系パブリックファンド「ブラックロック・チャイナ・ニュービジョン・ハイブリッド・ファンド(贝莱德中国新视野混合型)」が発売されました。
中国財務学者の賀江兵氏は、これは、中国当局が外部に対して閉鎖的ではなく、まだ開放的であることを示すための手段であると指摘しています。
「環境保護やカーボンニュートラルなどに投資することで、ブラックロックは、中国の政治を理解することができ、お金を稼ぐことができます。ただしその背景はあまり簡単ではないはずです。」
ソロス氏は、議会が投資を制限する法案を可決し、中国への資金流入を制限するために必要な手段を、証券取引委員会に提供することを求めました。
しかし、賀江兵氏は、この提案は実現が難しいと指摘します。「米国政府には民間資金の流れを指示する権限はなく、議会は年金のような政府が管理する資金を指示したり制限したりすることができるだけで、民間資金には指導を与えることしかできない。」
ソロス氏や王劍氏は、今中国株に投資するのは大間違いだと主張し、賀江兵氏は、中国はまだ外部に開かれており、民間資金の流入は止められないと主張しています。
中国市場から資産を引き上げるか、中国株にさらに投資するか、あなた次第です。
ちなみにアリババの馬雲さんよりも、テンセントの馬化騰さんの方が世渡りは上手そうです。
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参考記事
<美國之音>索罗斯斥责美资产管理巨头投资习氏中国
http*://bit.ly/3jTvoAE
<自由亜州電台>索罗斯:贝莱德投资中国是悲剧性错误
http*://bit.ly/3n9L0lt
http*://bit.ly/2X1Gx9v
<希望之声>索罗斯:贝莱德投资中国是“悲剧性错误”
http*://bit.ly/3tleEoW