チベットの精神的指導者であるダライ・ラマは、台湾海峡の緊張を理由に、現時点では台湾訪問を検討しないと述べました。
米国国営メディアの美國之音の記事より。
インドに亡命中のダライ・ラマ14世は、11月10日にインドのダラムサラからビデオで、日本外国特派員協会主催のグループインタビューを受けました。
インタビューで「いつ台湾を訪問するか」と聞かれたダライ・ラマは、現在、中国と台湾との関係が「非常にデリケート」であることから、台湾に政治的困難を引き起こすことを避けるために、台湾を訪問する立場にはないと述べました。
ダライ・ラマは、現代の通信技術を利用して、台湾の人々とコミュニケーションをとることができ、中国本土の人々とのコミュニケーションを希望していると語りました。
ダライ・ラマはこれまでに3度台湾を訪問し、台湾の仏教徒と親しく交流してきました。
新型コロナが流行する直前の昨年1月には、台湾の蔡英文総統の再選を書面で祝いました。
今年7月にダライ・ラマが86歳の誕生日を迎えた際、台湾の蔡英文総統は自身のFacebookで法王の誕生日を祝いました。
ダライ・ラマは、中国人民解放軍によるチベット侵攻により、1959年にチベットからインドへの脱出を余儀なくされて以来、ダラムサラに住んでいます。
ダライ・ラマは、北京で中国の指導者と会談したいとの意向を改めて表明し、チベットに関して「中道を歩む」とし、チベットの独立を求めないとの立場を再確認しました。
しかし中国共産党は、ダライ・ラマが中国からチベットを分離しようとしていると非難し、チベットの信者が宗教上の指導者であるダライ・ラマへの敬意を表すことを厳しく禁じており、ダライ・ラマの中道路線を受け入れず、信じていません。
ダライ・ラマは、中国には漢民族だけでなくチベットなどの異なる民族グループがいるとした上で、「われわれは独自のユニークな文化を持っている。中国共産党の偏見を持った指導者たちは文化の違いを理解していない」と語り、多様性を反映した政策を実行すべきとしつつ、「現実は、漢民族による締め付けが強すぎる」と述べました。
その一方で、最近の中国には変化が見られるとも指摘し、「新しい世代の中国のリーダーシップの下で、中国は変化していくと思う」と語りました。
また、異例の3期目を目指すとみられる習近平国家主席について記者から質問されましたが、ダライ・ラマ14世はノーコメントだと答えただけでした。
習主席に会う計画はないものの、「私も年を取った」として古い友人に再会するため中国を訪れたいと語りました。
ダライ・ラマは中国共産党と対話したがってますが、中国共産党はガン無視を決め込んでいるようです。ダライ・ラマの影響力を恐れているようです。
米国政府は中国政府に対し、相違点を解決するために前提条件なしにダライ・ラマまたはその代理人との対話を行うよう求めてきました。
日本外国特派員協会主催のグループインタビューは、1時間ほど行われたそうですが、日本のマスコミでは扱いが小さいですね。
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参考記事
<美國之音>两岸关系“脆弱” 达赖喇嘛称现时不考虑访问台湾
http*://bit.ly/3c3GNch