グアテマラのフアン・ホセ・アレバロ大統領は、中国本土が中米グアテマラからのいくつかの商品を輸入禁止したと述べ、これはグアテマラが台湾と外交関係を継続していることが原因ではないかと推測しました。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
ロイター通信の報道によると、グアテマラ輸出協会は、コンテナ7個以上のグアテマラ産マカダミアナッツが中国で入管できず、貿易業者にはグアテマラ産マカダミアナッツとコーヒーの輸入が禁止されると伝達されたと報告しました。
グアテマラは台湾と国交のある数少ない国のひとつです。中国は台湾を自国の領土と主張していますが、台湾はこれを拒否しています。
アレバロ大統領は、「ご存知のように、数日前、グアテマラと関係のある台湾の新政府が発足しました。この件に関して、(グアテマラと)中国との間で争いがあるかもしれない。」とTikTokのライブQ&Aセッションで語っていました。
報道によると、グアテマラのラミロ・マルティネス外務大臣は20日、台湾の頼清徳総統の就任式に出席し、アレバロ大統領はビデオ会議で頼清徳新総統と直接会談したとのことです。
アレバロ大統領は、グアテマラ政府はこの問題の解決に取り組んでいるが、中国政府からの回答はまだ受け取っていないと述べました。
グアテマラ輸出協会によると、グアテマラは昨年8200万ドル相当の商品を中国に輸出しています。
中国外交部の汪文斌報道官は24日の定例記者会見で、この件(グアテマラ商品の輸入禁止)についての記者の質問に対し、「現在のところ、ご指摘の状況は把握していない。一帯一路の原則は、国際関係における普遍的に認められた規範であり、国際社会における一般的なコンセンサスであり、中国がグアテマラを含むすべての国と協力するための大前提である。」と述べました。
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中国は気に入らないことがあると、相手国商品の輸入禁止や関税引き上げを恣意的に行なうなど、恣意的な嫌がらせを行なっています。昨年からの福島第一原子力発電所の処理水排水に伴い、日本の水産物を輸入禁止していることは知らない日本人はいないでしょう。
2020年には、オーストラリアが世界保険総会で、新型コロナウイルス起源巡る独立調査決議案を発案すると、激怒した中国は直ぐに牛肉輸入禁止、大麦への関税上乗せを決定し、その後ワインや石炭などの輸入禁止、オーストラリアへの中国人の旅行、留学を禁止するなど、執拗な嫌がらせが続いています。
中国がオーストラリアへ報復 牛肉禁輸、大麦関税上乗せ、旅行留学禁止 - 黄大仙の blog
2021年には、リトアニア政府が、台湾当局が設置する駐在員事務所の名称を、『駐リトアニア台湾代表事務所』と「台湾」を冠することを認めて以来、中国は、大使の召還、鉄道輸送の中断、リトアニア産食品輸入許可の審査·承認を停止するなど、さまざまな方法で報復しています。
中国、リトアニアに複数の手段で報復 米国と英国は、リトアニアと台湾との関係拡大を支持 - 黄大仙の blog
同じ2021年には、中国税関は突然台湾パイナップルの輸入禁止を発表しました。「台湾から輸入されたパイナップルから害虫が繰り返し検出された」が理由だとしていますが、民進党蔡英文政権や、台湾独立の動きへ圧力をかけることが目的なのだろうと見られています。
台湾の頼清徳新総統就任に合わせて、台湾と外交関係を結ぶグアテマラに嫌がらせをすることで、グアテマラへ台湾と断交するように圧力をかけているつもりなのだろうと思われます。
日本の国会議員が頼清徳新総統就任式に出席したことを受けて、中国の呉江浩駐日大使が、台湾の独立に日本が加担すれば「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と脅しをかけてきたことと根っこは同じです。日本政府は”厳重抗議”をしましたが、ペルソナ・ノン・グラータ(国外退去処分)すべきという意見に賛成です。
この発言は台湾の総統就任式に合わせて呉江浩駐日大使が中国大使館で開いた座談会で出たそうですが、座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首、外務省OBら十数人が出席していたが、呉氏をいさめる出席者はなかったと報じられています。
鳩山由紀夫元首相に至っては、呉氏の発言に「基本的に同意する」とほざいており、福島瑞穂社民党党首ともども国外追放処分にするか、日本人に害を及ぼす害獣として駆除してくれ、と憤慨しています。
参考記事
<世界新聞網>报复瓜地马拉亲台? 中国禁咖啡、夏威夷豆入境