7日間にわたって開催された香港ブックフェア2024が7月23日に閉幕しました。基本法23条施行後初のブックフェアで、政治関連の書籍がゼロになっただけでなく、ジャーナリスティックな作品まで禁止されました。
米国に拠点を置く中国語放送の希望之声の記事より。
今回のブックフェアでは外国の歴史や政治に関する本はまったくありませんでしたが、ブックフェアの主催者である香港貿易発展局は、(政治的に)「敏感」であることを理由に、少なくとも8冊の本を棚から撤去するよう書店に求めました。
その中には、ジャーナリズム研究者である區家麟の『二千四十七夜』、『乱気流』、『最後の信仰-ジャーナリズム倫理に関する12の講義』の3冊が含まれていました。一部の書店は『乱気流』は単なる旅行記だと主張し、棚から外すことを拒みました。
界限書店は最終的に、棚から外されたタイトルを列記したメモを屋台に貼りました。
ある一般市民は外国メディアに対し、ブックフェアにはもっと様々な声があるべきだ、どんなスタンスやテーマであれ、主催者は一方の意見だけを取り上げるべきではない、そうすればブックフェアは一つの声しか受け入れられなくなる、と赤裸々に語りました。
ボイス・オブ・アメリカの報道によると、棚から撤去された本の主題は政治とはほとんど無関係で、中には旅行関係の本まであったという衝撃的なもので、被害を受けた出展者たちは、「敏感」であることの意味がもはや理解できないと渋い顔をしたといいます。
界限書店の責任者は、「こんなことは今まで一度もなかった。ガイドラインがあるわけでもなく、ただ「敏感」だと思ったら本を下げろというだけですから、かえってわかりにくい。中にはファンタジー小説や、家族が海外に移住した際の訪問記録などもあり、私たちが判断できる立場にないのです。」と述べています。
一部のアナリストは、「敏感 」なのは本そのものではなく、香港政府を監視し政権を批判する記事を書いたことでラジオテレビ香港を解雇された区家麟や、中国占拠に関与したことで実刑判決を受け、立法院議員の再選に立候補できず、ブックフェアの棚からも2冊の本が撤去された邵家臻といった著者たちかもしれないと語っています。
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香港基本法23条(国家安全法)は、2024年3月19日に香港立法会で可決し、3月23日公布、即日施行されました。
基本法23条は、香港政府に対して国家の安全を脅かす行為や活動を禁止する法律を制定するよう義務付けている法令で、国家反逆、反乱、国家機密およびスパイ活動に関する犯罪、国家安全を脅かす妨害行為、国家安全を脅かす活動をする外部勢力と組織の5つの分野を犯罪の対象として処罰することを可能とします。
しかし、それぞれの罪の範囲が曖昧で、当局が恣意的に適用することも懸念されています。
香港の立法会が猛スピードで審議、基本法第23条全会一致で可決 23日より施行 - 黄大仙の blog
香港基本法第23条の詳細が明らかに 最高刑は無期懲役。告発を怠った場合は14年の禁固刑。 - 黄大仙の blog
参考記事
<希望之声>23条后首届香港书展 连旅游类都变禁书