黄大仙の blog

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中国とフィリピン、「暫定的取り決め」で合意 フィリピン、座礁させた軍艦に初めて物資を輸送 中国海警は全過程を監督したと発表

中国とフィリピンは「暫定的取り決め」で合意し、フィリピンは座礁させた軍艦に初めて物資を輸送し、中国海警は全過程を監督したと発表しました。

  米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。

フィリピン・マニラでの対中国抗議デモ

  フィリピン外務省は、中国と係争中の南シナ海のセカンド・トーマス礁で27日に座礁させた海軍艦艇への補給任務を成功裏に完了したと発表しました。

 

  フィリピンと中国が今月に「暫定的な取り決め」を交わして以来、フィリピンがこのような任務を遂行するのは今回が初めてです。

 

  ロイター通信は、フィリピン外務省の声明を引用し、フィリピン側はフィリピン沿岸警備隊の船舶の護衛の下、上陸船BRPシエラ・マドレの補給と人員交代任務を遂行するために民間船を派遣し、任務中に「いかなる事故の報告もなかった」と伝えました。

 

  中国海警局の甘羽報道官は27日の声明で、「中国海警はこれを確認し、全過程を監督した」と述べました。

 

  また甘羽報道官は、「フィリピン側が約束を守り、中国側と協力して共同で海上の状況をコントロールすることを望む」と付け加えました。

 

  両国は先週、南シナ海で中国船とフィリピン船の衝突が繰り返された後、マニラが座礁したレンアイ・シャムシャ号に駐留する部隊への補給任務を遂行する「一時的な取り決め」に達したと発表していました。

 

  ラオスで開催されたASEAN外相サミットで、ブリンケン米国務長官は、「フィリピンのミッションが成功し、両国が合意に達したことを喜ばしく思う。我々はそれを称賛し、それが継続することを望み、期待する」と述べました。

 

  しかしながら、フィリピンと中国は、この「一時的な取り決め」によって領土に関する両国の立場が変わることはないと述べました。

 

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    中国は、有名な九段線を南シナ海に引き、領有を主張しています。九段線は海南島の南1500kmに伸び、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイインドネシア排他的経済水域に食い込んでいます。

 

  中国は、この線は歴史的な地図に基づいていると主張していますが、ハーグ国連仲裁裁判所は2016年に、『九段線に基づく中国の主権主張は国連海洋法条約(UNCLOS)違反であり、無効とする』と採決しました。

 

  中国はこの採決は『紙切れだ』と無視し、南シナ海に行政区を設置するなど、領有権主張をますます強めてきました。

中国が領有を主張する九段線

  フィリピンは南沙諸島のセカンド・トーマス礁に領有権を主張するために1999年に意図的に軍艦を座礁させて軍を駐留させています。

 

  座礁船へ物資を補給するフィリピンの補給船に対する、中国海警船の妨害工作は年々激しさを増し、最近は中国海警船の放った放水銃によってフィリピン船の兵士が負傷する事件も起きています。

 

deepredrose.hatenablog.com

 

 

  しかし『暫定的な取り決め』ながら、中国が自国領を主張する領域にあるフィリピンの軍事施設(座礁軍艦)への補給を認めたことは、フィリピンの大きな勝利であり、中国の脅しに屈せず、毅然とした態度を貫いた成果です。

 

  これが中国の対外拡張主義の野望を砕く礎になることを望みます。

 

  日本も尖閣諸島や日本近海での中国の暴挙に、フィリピンのように毅然とした態度を示してほしいです。

日本近海に中国が設置したブイ

ブイの浮かぶ海域

 

参考記事

<自由亜州電台>中菲达成临时安排协议 菲律宾首次向坐滩军舰运送补给 中国海警称全程监管

https://x.gd/cwPKG