黄大仙の blog

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中国製テスラ、EUの関税率が引き下げられる

欧州委員会は、中国製のテスラ製電気自動車に9%の追加関税を課す計画を発表しました。テスラは中国内メーカーに比べ中国政府からの補助金を受け取っていないため、中国企業が直面しそうな関税水準をはるかに下回る関税率となります。

  ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。

EUが中国製テスラの関税率を引き下げ



  EUは先月、中国から輸入した電気自動車が欧州の競合他社に不当な損害を与えているとのEUの相殺調査の結論を受け、現行の10%の関税に加え、中国からの電気自動車に暫定的に高い関税を課しました。

 

  中国はEUの関税決定に強く反発しており、世界貿易機関WTO)に提訴しています。欧州委員会は懸念を表明しており、その措置はWTOに準拠しているとも述べています。

 

  欧州委員会20日、関税率を若干調整した草案を発表しました。8月末までに関係者の意見を聴取し、遅くとも10月末までにEU加盟国の承認を得ることになっています。

 

  主要な中国メーカーが直面する関税は、市場リーダーのBYDが前回の17.4%からわずかに下がって17%、吉利汽車が前回の19.9%から下がって19.3%、上海汽車が前回の37.6%から下がって36.3%となります。

 

  欧州委員会の調査に協力した他の中国メーカーには21.3%の関税が課され、前回の20.8%より若干高くなるが、協力しなかったメーカーには最大36.3%の関税が課されます。

 

  中国製テスラ(中国でモデル3とモデルYを生産)は、具体的な関税率を設定するよう欧州委員会に求めていましたが、欧州委員会は最終的に9%の関税を設定することを決定しました。

 

  欧州委員会はまた、中国の合弁事業に関与し、中国から電気自動車を輸出している欧州メーカーには、中国パートナーの税率が適用されると決定しました。

 

  影響を受ける欧州企業には、ドイツのフォルクスワーゲンBMWがあります。EUの関税は、重要なビジネス上の利害関係を持つ中国との貿易関係に悪影響を及ぼしかねないと懸念しています。

 

 

  EUの電気自動車関税に関する草案発表を受けて、中国欧州連合商業会議所(CCCEU)は声明を発表し、「欧州委員会保護主義的アプローチに強い不満と断固とした反対を表明する」と述べました。

 

  「欧州委員会は、電気自動車の自由貿易を妨げるために貿易手段を不当に利用しており、これは欧州の電気自動車産業の回復力を最終的に弱める保護主義的なアプローチです。」

 

  CCCEUは、「これは中国と欧州の貿易摩擦を悪化させ、世界的な協力とグリーン開発に極めてネガティブなシグナルを送ることになる。」と警告しました。

 

  中国商務省も820日夜、「断固として反対し、強く懸念している。欧州側が理性的かつ現実的な方法で中国と協力し、貿易摩擦の激化を避けるために実際的な行動を取ることを望む。」と述べました。

 

  欧州委員会のある幹部は、欧州委員会は関税に頼らずに貿易摩擦を解決することに意欲的だが、カギは中国にある。今は中国が代替案を出すかどうかにかかっていると考えている。」と述べました。

 

  中国とEUは近年、貿易、技術、国家安全保障に関わるさまざまな問題をめぐって衝突を繰り返してきました。

 

  EUソーラーパネル、風力タービン、鉄道に対する中国の補助金について一連の調査を開始し、中国はヨーロッパのブランデーと豚肉の輸入について調査を開始していました。

 

  しかしEUは微妙なバランスをもって、中国との対決を避けつつ、ヨーロッパの重要な自動車産業を守り、グリーン産業へのシフトを図ろうとしています。

 

  中国が電気自動車大国として台頭してきたのは、的を絞った産業戦略が理由であり、中国は多額の国費を国内企業や研究開発に投入してきました。

 

  このアプローチにより、中国企業は、このような手厚い国家支援を受けていないヨーロッパの自動車メーカーよりも、安価で効率的な電気自動車を提供する上で重要な優位性を獲得しています。

 

  米国のシンクタンクのアトランティック・カウンシルによると、中国の電気自動車の海外売上高は、2023年には70%増の341億ドルに達します。このうち40%近くがEU向けで、EUは中国製EVにとって最大の輸出市場となっています。

 

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  アメリカも中国製電気自動車(EV)には100%の関税をかけています。これは81日から適用された関税率ですがそれ以前も25%という高率関税をかけていました。

 

  中国ではEVに様々な補助金を付加したおかげで、EV生産への参入が相次ぎ、過剰生産能力に苦しんでいます。卑近な例ではスマホで急成長したシャオミや不動産最大手の恒大集団もEV生産に参入しています。

 

  2025年には中国の新エネ車(電気自動車:EVプラグインハイブリッド車:PHV燃料電池:FCV)の生産能力は3600万台になると見込まれています。

 

  欧米が中国製EVに高率関税をかけるのに対して、日本は国が最大85万円のEV補助金を支給し、これに地方自治体独自の補助金も加わります。日本のEV補助金国産車にも輸入車にも支給されます。

【2024年度】電気自動車(EV)の補助金は上限いくら?国や自治体の制度、注意点を解説 - EV DAYS | 東京電力エナジーパートナー

日本のEV補助金(関税じゃないですよ)

  日本はトヨタをはじめとする自動車産業しか日本を背負ってくれる産業がないのですが、日本の政府や官僚は本当に日本のことを考えているのでしょうか?

 

 

参考記事

<徳国之声>中国制造特斯拉获得欧盟较低税率

https://x.gd/JJQ8k

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