黄大仙の blog

何にでも首を突っ込みたがる好奇心旺盛なOJISANブログです。

中国反撃開始!農産品輸入の停止 中国の主張は? 第一段階の貿易合意はどうなる?

中国が香港に国家安全法導入を決めれば、

アメリカは香港に対する貿易の特別待遇を取消すと表明。

対抗して中国は米国農産品の購入停止、注文取り消し。

米中戦争はノーガードの打ち合いに、

どちらかが倒れるまで続くのか

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最近の米中の戦いは、

中国はアメリカが嫌がることをやり、

アメリカは中国を殴り続ける。

こんな感じで進んできたのですが、

ついに中国がアメリカに対して直接パンチを出しました。

中国政府が国営企業に米国産農産品の購入停止を命じ、

中国企業は1-2万トンの米国産豚肉の注文を取り消しました。

ドイツにある中国語メディア「徳国之声」の記事によれば、

[徳国之声]报复来了?媒体称北京下令暂停采购美国农产品
翻訳版
<徳国之声> 報復開始か? 北京は米国農産品の購入停止を命じたと報じられた。 - 黄大仙の blog


 
今年1月の米中貿易協議で、

今後2年間で320億ドルの米国産農産物の購入を約束しました。

半年前のことなのですが、新型コロナの大流行があったので、

遠い過去のことの様に思ってしまいますが、

中国はきちんと約束を守ってアメリカから農産物を買い続けていました。

2月末から5月初までで、中国を含め世界中がコロナ対策い追われている頃に、

中国の購入量は、とうもろこしと豚肉で2017年の7倍に、

綿花は2倍、大豆は33%増加だそうです。

日本では報道されることはほとんどありませんでしたが、

中国はきっちりと約束を守ってきていました。

中国政府も結構律儀だとなと思ってしまいますね。

実際には、

近年は食料自給率が落ち続けた上に、

アフリカ豚熱の大流行で、豚肉生産が大打撃を受け、

豚肉の輸入は当然のこととして、

国内の養豚業を回復するためにも、

飼料としてとうもろこしや大豆が必要でした。

こうしてみると、中国が農産品輸入量を増やしたのも、

必要に迫られて実行したという面もあったと思います。

そんな中国が米国産農産物の購入を停止しました。

大丈夫なのでしょうか?

中国側の報道を見ると何かわかるかもしれません。

[百度新聞]外媒:中国买家或将停止进口美国某些农产品,或还取消美猪肉订单
翻訳版
<百度新聞>中国は米国農産品の輸入を停止し、米国産豚肉の注文を取り消した - 黄大仙の blog


 
この記事は中国国内に発信している記事ですから、

中国に都合のいいことは大袈裟に、

中国に都合の悪いことは極小に、時には無視

という扱いになっていると思います。

その様な目で見たとしても、かなりアメリカの窮状を晒す記事になってますね。

記事によれば、アメリカの農業や農民は元々海外に農産物を売らないと、経済的にやっていけない、

中国市場はそんなアメリカ農業にとって、最も大きく最も重要な顧客’だった’。

過去2年間を見てもアメリカの野上の破産は非常に多く、

中国が買わなくなれば破産はさらに増加するだろう。

この様な論調で記事は続きます。

特に中国の豚肉消費量は全世界の消費量の半分を占めています。

しかも豚の頭から豚足、尻尾まで食べ尽くします。

その中国に豚肉を輸出できなくなると、

アメリカ人が食べない部位はごみにしかならず、

破産する農家はますます増えるだろうと言っています。

ある意味威勢のいい記事になっているのですが、


あなたは記事に納得して、中国が買わなければアメリカ農業は壊滅だ、と思いましたか?

私はこの記事を読んで、著者はかなり必死だなと思いました。

2-5月の輸入取り消し量が出ていたのですが、

2月53トン、3月999トン、4月214トン、5月3247トン

これだけの豚肉の注文が取り消されたとありました。
 
2017年実績で中国がアメリカから輸入した豚肉は165741トンです。
(畜産の情報 2018年4月号より)

1ヶ月あたり13811.75トンの豚肉を輸入しています。

徳国之声の記事では、今年の豚肉輸入量は2017年の7倍となっていますから、

これを考慮すると、今年は1ヶ月あたりざっと10万トンです。

これと比較すると2-5月の取り消しは大した数量ではありませんね。

この程度のキャンセルなら普通に有るのではないでしょうか、

キャンセル料のデータは見つかりませんのでわかりませんが。。。

この数字を挙げて、アメリカの農家は元々困っていたんだというのは、ちょっと無理があると思います。

ところで、中国は1ヶ月10万トンの豚肉輸入を取り消すと言っているわけですが、

中国にとっては双刃の剣です。

アフリカ豚熱はまだ治まっていないし、

中国の養豚もまだ完全には回復していません。

アメリカからの輸入がなくて国内需要を満たせるとも思えませんし、

豚肉の不足や価格上昇は人々の不満を溜め込みます。

豚肉以外でも大豆は油の搾かすは養豚の飼料になりますので、

大豆の輸入停止も養豚業に打撃となりますし、

大豆油の不足にもつながります。

大豆油の不足は価格上昇を招き、

また、地溝油の蔓延が起こりますね。

(地溝油とは下水に流した使用済油を濾して再利用する油の事、
レストランでは地溝油で料理して客に提供します、コストダウンのために)

この様に、アメリカからの農産物輸入の停止は、

中国にとっても打撃だと思います。それも結構大きな。

中国内に向けた記事ではそう書けないので、

輸入停止でアメリカをボコボコにしてやるぜ!という内容ですが。

アメリカが香港の特別待遇取り消しも、

香港に進出しているアメリカ企業にも打撃になります。

米中はノーガードの殴り合いを始めてしまいました。

この殴り合いがいつまで続くのか、

どう決着するのか、

世界のニュースから目が離せません。
 
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