カナダに続いてオーストラリアも香港との
犯人引渡し条約の停止を決めました。
香港国家安全法施行を非難する国はいくつかありますが、
実際に対応策を実施するのは極めて少数です。
香港国安法へ素早く反応したオーストラリアですが、
中国との対立は以前から続いていました。
新型コロナの起源をめぐる独立調査が世界保健総会で決まると、
発案者のオーストラリアに対して中国が激怒し、
牛肉の禁輸、大麦への関税上乗せを決定、
さらにオーストラリアへの留学、旅行の禁止、
と矢継ぎ早に対抗策を実施しました。
中国の機嫌を損ねると、オーストラリのように虐められる - 黄大仙の blog
どの対抗策もオーストラリアには打撃で、
オーストラリアの農産物輸出の30%が中国向けでしたので、
経済に与える影響はかなりのものだと言えます。
そのような中であっても、
香港に国家安全維持法が施行されると、
香港との間の犯人引渡し条約の停止を決めたのですから、
オーストラリア政府やモリソン首相の覚悟は見事です。
元々オーストラリアは「サイレントインベージョン目に見えぬ侵略」で有名になったように、
政府中枢にも深く中国に侵食されていましたから、
中国に敵対する行動には、
国内でもかなりの抵抗があると想像できます。
カナダもオーストラリアに先駆けて、
香港との犯人引渡し条約の停止を決めていますが、
ファーウェイCFO孟晩舟の拘束問題で中国と対立すると、
ファーウェイ孟晩舟と拘束中のカナダ人との交換を拒否 トルドー首相 中国はどう報じた - 黄大仙の blog
元政府高官から孟晩舟を釈放するようトルドー首相に書簡が送られるなど、国内の媚中勢力と戦っています。
日本はどうでしょうか?
自民党の外交部会が習近平国賓来日の中止を政府に求めましたが、
また、日本は犯人引渡し条約には香港とも中国とも結んでいませんが、
中国との間で締結に向けた交渉が5年ぶりに再開しました。
中国全人代で香港国安法導入が決まった直後の6月3、4日のことです。
日本は国連人権委員会では香港国安法に反対票を投じたようですが、
香港国安法施行1週間 香港が死んだって本当か? - 黄大仙の blog
実際の動きは香港国安法には無関心ということです。
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情けないですね。人権よりも儲けることが優先ですか?
このような状況では香港人救済には動かないでしょうね。
オーストラリアは香港人のビザ延長を表明しています。
日本は香港人の移住を受け入れるのでしょうか?
日本が門戸を開いた外国人労働者は、低賃金労働者のことで、
香港人、特にハイレベルの金融関係者は対象外なのでしょうか?
金融センターとしての東京をレベルアップするのは香港人でしょう。
のんびりしているとシンガポールやロンドンに人材を取られますよ。
以下は、オーストラリアの動きに対して、
中国の反応を報じる記事です。
留学生や観光旅行の中止を繰り返し述べていますが、
「さらに一歩進んだ対応をする権利を保留し」ているとも述べており、
どのような手を打ってくるのか気になるところです。
+++多維新聞+++
[原題] <多維新聞>澳大利亚暂停与香港引渡协议 北京斥不吃这一套
[邦訳]<多維新聞>オーストラリア香港との引き渡し条約を一時停止 北京はこれを拒否
最近、香港で執行された香港国家安全維持法は、西側諸国の反対を集めている。オーストラリアのモリソン首相は、香港市民がオーストラリアへ移民することを支援したり、ビザの期限を5年に延長したり、香港との間の犯人引き渡し条約を一時停止したり、いろいろな対策の実施を発表した。中国はオーストラリアが打ち出した香港関係の処置を強く非難し、中国は「拒絶する」ことを表明した。
北京時間7月9日の中国外交部定例記者会見で、趙立堅報道官は記者の質問に答えた。
趙立堅は、オーストラリアの関連する発言と発表された処置は、国際法と国際関係の基本的規則に深刻に違反し、中国内政に著しく干渉している。「中国は拒絶し、この表明を非難し、さらに一歩進んだ対応をする権利を保留し、これによって作り出されたすべての結果は完全にオーストラリアのせいである」と述べた。
趙立堅は、香港国家安全維持法は一国二制度の安定の確保に重要な処置であると指摘した。「香港国安法の実施後、香港の法律体系はさらに完全なものとなり、社会秩序はさらに安定し、ビジネス環境はさらに良くなり、香港の繁栄と安定に有利となる。」
趙立堅は、「中国を抑圧する如何なる企みも実現不可能であり、中国はオーストラリアが直ちに根本からやり直して、香港や中国の内政に干渉するいかなる取り組みも停止し、中豪関係を棄損することを避けるべきだ」と強調した。
さらに、当日の記者会見で、趙立堅は再びオーストラリアへの留学生にリスク評価を行うように呼びかけた。
趙立堅は、過去にオーストラリア国内では華僑や華人、中国留学生及びアジア人への差別が横行し、その中の一部の人は暴力的な攻撃を受け、心身の健康や声明の安全にも深刻な脅威を受けていると述べた。
趙立堅は多くのオーストラリアに留学する人たちに、リスク評価を行うことを提案し、現在オーストラリアへの留学を慎重に選択し、オーストラリアの華僑や華人には自身の安全防犯に注意を払うよう注意を促した。
ロイター通信の報道によると、オーストラリアは7月9日に香港との犯人引き渡し条約を一時停止し、香港人の学生ビザと就労ビザの居留期限を5年に延長し、その後永久居留を申請できると発表した。これはファイブアイズに参加しているイギリスとカナダに続くもので、中国が執行した香港国家安全維持法に対応するもである。
オーストラリアのモリソン首相は、香港国家安全維持法の実施を懸念しており、この法律が一国二制度を破壊し、基本法や中英共同声明で約束した高度な自治を損なうと思っている。
モリソン首相は同時に香港人のために移民計画を提供すると発表した。彼はビザ制度の改正で人の大量流入を起こさず、数万人もの人が申請することはないと期待している。
しかし、オーストラリアのこの動きは、中国オーストラリア間の緊張関係をさらに強める可能性がある。
<環球網>驻港国安公署8日上午在香港揭牌,今早大楼外升起五星红旗
https://china.huanqiu.com/article/3yxvOubqqyv
+++多維新聞+++