中国内モンゴル自治区包頭市の副市長が、自宅で転落死した事件について、警察は刑事事件化の可能性を排除しました。事故死または自死と扱うようです。 しかし、彼の本当の死因については、海外在住のモンゴル人の間で疑問の声が上がっています。
アメリカに拠点を置く国際メディアの自由亜州電台(RFA)の報道によりますと、内モンゴル自治区包頭市の王美斌副市長が12月12日にオルドス市の自宅から転落死したことに対して、警察は刑事事件化しないと表明しました。
王美斌は1969年オルドス市生まれで共産党員、2019年9月から包頭市の副市長を務め、8人いる副市長の中で第8位にランクされており、主に産業、情報化、司法、生態環境、政府サービス、公務、仲裁、非公的経済を担当していました。
王美斌副市長の転落死は今年の内モンゴルの反腐敗状況と関係があるのではないかと推測する意見もあります。
内モンゴル自治区政府は石炭業界の不正を調査しており、王美斌副市長の転落死によって救われた関係者が多くいると指摘する識者もいます。
内モンゴル自治区の石炭は中国市場のシェア30%を超える非常に大きな産業ですが、自治区外から来た漢民族が牛耳っており、牧畜業を主とする地元のモンゴル人には利益をもたらしていません。
今年に入ってから内モンゴル自治区では、石炭資源の開発における不正や違反行為を明確にするために、2000年以後の20年間の行動の調査を行なっています。
王美斌が転落死するわずか2日前の12月10日に、オルドス市の中国共産党規律検査委員会は、同市人民代表大会常務委員会副主任の雲衛東が法を破った疑いがあり、捜査を受けていると発表しました。
12月4日には内モンゴル自治区政府は、内モンゴル土地資源部の前部長をはじめとする部局レベルの高官5人が、懲戒違反の疑いで調査を受けたり、役職を解任されたりしたと発表していました。
内モンゴル出身で日本に帰化し、静岡大学で教授を務める楊海英氏は、王美斌副市長は転落したのではなく、転落させられたのだと指摘しています。
もし自殺しなければ、転落しなければ、自分の命を切らなければ、家族を危険にさらすことになります。王美斌副市長は他の利益のために自分の命を引き換えにしなければなりませんでした。
楊海英教授は、内モンゴルは地下資源の宝庫であるが、中国共産党は内モンゴルをただの植民地と見なしているので、略奪的な採掘を行なって指摘しています。
内モンゴルの鉱物資源権益は、地元のモンゴル人には還元されずに、一握りの共産党高官が独占し腐敗の温床になっていたものと思われます。
内モンゴル自治区規律検査委員会は10月26日に、全レベルの規律検査監督機関が石炭に関わる410件の事件で総計534名を捜査したと発表しました。
中国共産党による略奪的採掘は、内モンゴルの生態系にもダメージを与えており、日本に住むモンゴル人の阿日查氏の指摘によると、2000年以後、環境問題のために多くの放牧民が請願に行ったが、逮捕されて放牧地を占拠されました。さらに学校教育でのモンゴル語使用停止処置により、モンゴル人の間に不安が広がっています。
中国共産党は植民地(チベット、新疆、内モンゴル)では少数民族を搾取し、内地では国境にフェンスを建設して中国人民が逃亡するのを防ごうとし、人権派弁護士を自宅軟禁したり、人権侵害の度が過ぎます。
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参考記事 *>s
<自由亜州電台>包头副市长坠楼身亡 蒙古族人议论纷纷
http*://bit.ly/2K0k6vi