ブラジルは12日、中国のシノバック・バイオテックが開発した新型コロナワクチンの全体的な有効率が50.38%にとどまったフェーズ3臨床試験の結果を発表しました。 先週発表された数値を30ポイント近く下回っています。
フランス政府が設立した国際メディアのrfiの報道によりますと、この結果は、ブラジルでワクチン開発や臨床試験を担当しているサンパウロのブタンタン研究所が1月12日に発表したものです。
ブタンタン研究所は1月7日に、1万2508人が参加した試験で、同ワクチンが軽度の症状に対して78%、中度から重度の症状では100%抑える効果を発揮したと発表したばかりです。
しかし12日の発表では、臨床試験で示されたシノバックワクチンの「本当の」有効率は50.38%と、7日の発表よりも30ポイント近く下回っています。
世界保健機関(WHO)が定めたワクチンの有効率50%以上の最低条件を満たしていますが、ファイザー社の有効率95%やモデルナ社の94.1%に比べると低くなっています。
シノバックのワクチンをいち早く試験していたインドネシアでは、有効率は65%だったと明らかにしています。しかし試験参加人数がわずか1620人で、有意なデータを集めるには少な過ぎると指摘されています。
トルコでもシノバックのワクチンの試験を行い、有効率91.25%が得られたと発表されましたが、これも参加人数が少ないため有意なデータでは無いとされています。
記事によると、新型コロナワクチンの開発で、異なる有効率のデータが表れるのはシノバックだけでなく他社でも事例があるとのことですが、しかし中国の開発メーカーは西側企業に比べて安全性や試験に関する情報の開示が少なく、疑いを高めているとのことです。
習近平国家主席は中国製ワクチンを世界の公共財として全世界と共有すると約束し、ワクチン外交を展開する姿勢を見せていますが、データの不一致は信頼を失わせかねません。
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参考記事 *>s
<rfi>巴西三期临床试验结果显示 中国疫苗有效率只有50.38%
http*://bit.ly/3ieXRhB