中国「不承認、不執行、不遵守」を発令、米国の中国企業に対する不当な制裁に対抗するため

中国商務部は、米国政府による中国企業や中国人に対する制裁が、頻発していることへの対抗処置として、「外国法治外法権の不適切な適用を阻止するための措置」を正式に発表しました。外国の法律が領土外適用することが確認された場合には、商務部所轄官庁は「外国の法律不承認、執行なし、遵守なし」を決定できます。

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　　アメリカに拠点を置く、世界中の華人向けメディア世界新聞網の報道によりますと、中国国務院商務部の発行した「外国法治外法権の不適切な適用を阻止するための措置」では、関連する外国の法律および措置が不適切な域外適用をすることが確認された場合、商務部所轄官庁は外国の法律不承認、執行なし、遵守なしを決定できます。

　　これは、例えば米国が米国の国内法によって、在中国の中国企業や中国人を制裁した場合（域外適用）には、商務部はその法律の「不承認、不執行、不遵守」を決定できるというもので、米国が矢継ぎ早に成立させた、ウイグル人権法、香港人権法など中国内の人権侵害を理由に中国当局や政府高官への制裁を行う法律を睨んだものです。

f:id:deepredrose:20210111114455j:plain 　　中国人民大学法科大学院の韓立余教授は、この法律の施行は、外国の法律と措置の不適切な治外法権的適用に対する中国政府の厳格な姿勢を示すものであり、企業の合法的な権利と利益を保護するための救済手段を提供するものであると述べました。

　　「外国法治外法権の不適切な適用を阻止するための措置」は、2021年に中国商務部が最初に出した命令で、第1条には、外国の法律の不適切な治外法権的適用による中国への影響を遮断し、中国の国家主権、安全保障、発展の利益を保護し、中国国民、法人、組織の正当な権利と利益を保護するために制定された、と明記されています。

　　韓立余教授は、企業が関連する外国の法律を遵守せず、禁止・制裁措置によって大きな損失を被った場合、中国政府の関連部門は必要な支援を提供できると指摘しました。

f:id:deepredrose:20210111114515j:plain 　　この法律は主に米国の「ロング・アーム管轄権」を狙ったものであると指摘している有識者もいます。