新型コロナワクチンの集団予防接種は、中国やインドでも来年2022年末まで完了しないだろうと予想されています。
『エコノミスト』の調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニットは、新型コロナワクチンの集団接種に関する報告書を発表しました。
報告書によりますと、先進国は2022年半ばまでにほとんどの成人の新型コロナワクチン接種を完了できるかもしれないが、中国やインドなどの中所得国は2022年末か2023年前半まで大規模接種を実施できず、貧困国は2024年まで実施できないだろうとのことです。
米国の各州では12月下旬から高齢者や医療従事者、健康に問題のある人を対象に集団接種が行われており、就任したばかりのジョー・バイデン大統領は、ワクチン接種率をさらに高めると述べています。
英国をはじめEUのほとんどの国が今年3月末までに高齢者などの優先グループにワクチンを接種する見込みで、日本を含むその他の先進諸国は6月末までにワクチン接種を開始する可能性があるとされています。
中国とインドは自国で新型コロナワクチンを生産しており、途上国に対してワクチン外交を展開し、自国内でもワクチン接種プログラムを推進していますが、国土が広く人口も多いため、集団予防接種は来年2022年末頃までかかると見込まれています。
中国のワクチン接種は既に始まっていますが、臨床試験が不十分として18歳以上59歳まで接種可という年齢制限が設けられたり、重大疾患のある人は接種不可とされていたり、集団予防接種が全国民に進まない要因になっています。
インドには世界最大のワクチン製造工場があり、アストロゼネカ社のワクチンであるコビシールド(Covishield)を製造しています。
中国がワクチン外交と称して途上国にワクチンを配布していますが、インドも中国の影響力が強まるのを防ぐために、モルディブ、ブータン、バングラデシュ、ネパールなど周辺国にワクチンを配り、ワクチン外交を展開しています。
中国もインドもワクチン外交を競い合っていますが、自国内のワクチン集団接種は、国土の広さと人口の多さのために、来年末までかかるというのですから、「よその国のことよりも自国民のことを考えてくれよ」と言いたい気持ちかもしれません。
世界的なワクチン接種が来年から再来までかかるということは、オリンピックは無観客・規模縮小で実施することになるのでしょうか。
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参考記事 *>s
<自由亜州電台>中国、印度等中等收入国家可能明年底才能大规模接种
http*://bit.ly/2MtqU5t