6月6日に米国の3名の上院議員が台湾を訪問し、蔡英文台湾総統ら台湾政府高官との会談を行い、米国が台湾に75万回分のワクチンを提供することを発表しました。
米国民主党の民主党のタミー・ダックワース上院議員とクリストファー・クーンズ上院議員、共和党のダン・サリバン上院議員が、6月6日に台湾を訪問し、 台湾の政府高官との会談を行いました。
米国在台湾協会は、3人の上院議員の訪問はインド太平洋ツアーの一環であり、米台関係、地域の安全保障、その他の共通の利益などの重要な問題について、台湾のトップと意見交換を行ったとしています。
は台北市内の松山空港で台湾の呉釗燮外相に出迎えられ、その後防疫上の配慮から、活動は国軍松山航空司令部の空港VIPラウンジに限定し、一般市民との接触を避けました。
台湾を訪問した3人の党派を超えた上院議員は、いずれも米国議会で長年にわたり台湾を支持してきた人物で、ダックワース上院議員とサリバン上院議員は、米上院軍事委員会のメンバーであり、議会で台湾寄りの法案に賛成票を投じたり、台湾寄りの共同書簡に連署したりしています。
クーンス上院議員は、上院外交委員会のメンバーであり、懲罰委員会の委員長と歳出委員会の国務省・外交活動小委員会の委員長を務め、「台湾保証法」と「TAIPEI法」の共同提案者でもあります。
台湾外交部は、3人の上院議員が台湾の様々な問題を惜しみなく支援してくれたことに感謝の意を表し、上院議員の訪問が台湾と米国の深い絆をさらに深めることにつながると考えていると述べています。
ダックワース氏は、米国は台湾がワクチンを緊急に必要としていることを認識しており、ワクチン寄贈の第一陣に台湾が含まれることは非常に重要であると述べ、米国が台湾に75万回分のワクチンを提供することを発表しました。
ダックワース氏は、「昨年の新型コロナ流行当初に台湾がマスクや身の回りのものを提供してアメリカ人の命を救ったことに触れ、台湾が困ったときに米国を支援することを表している。 台湾政府が米国からワクチンを確保したことで、パンデミックの終息に近づいたと考えている。」と述べています。
中国共産党の機関紙『人民日報』系列の環球時報は、米台友好の動きを牽制し、非難する社説を発表しました。
『米国が贈る75万回分のワクチンは、米国の対外援助による新型コロナワクチンの最初の2500万回分の一部であり、 いくら美辞麗句を並べても、75万回分のワクチンは台湾の2300万人にとっては雀の涙であることは、誰の目にも一目瞭然である。』
『流行病対策の失敗とワクチンの深刻な不足により、台湾の多くの人々は民進党政権に対する強い不満を抱き、支持率の低下を繰り返している。』
『米国上院議員の訪台は民進党政権を支持するためのショーに過ぎない。 民進党の頭の中は、実際の問題を解決することではなく、そのような政治的な駆け引きによって下へ下へと濁っていく必要があるのです。』
『中国大陸の人々は、「台湾独立」を「台湾蛙」と呼んでいますが、それには理由があり、ここでいう「蛙」とは、井戸の底にいる蛙のことです。 彼らにはビジョンがなく、本土との全面対決という愚かな道を選び、戦略的に袋小路に追い込まれています。 彼らは一歩一歩、米国の戦略的な大砲の餌食という最も危険な立場に自らを追い込んでいるのです。』
『このような台湾当局は、疫病と闘う心も能力もないと言え、彼らの思考のほとんどは、いかにして米国に名を売るか、いかにしてワシントンを動員し、米国の忠実な反中の手先となって彼らの安全を「守る」かということである。 』
『彼らが気にしているのは、イデオロギー的な操作によって、そのようなコストが「妥当」であり「支払う価値がある」と台湾の人々にどうやって納得させるかということだけです。 』
『台湾当局は、台湾人の根本的な利益を裏切る道をどんどん進んでおり、台湾を真っ向から裏切っています。』
以上が環球時報の社説の抜粋ですが、「台湾独立」を牽制する論調となっています。
中国の国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官も、台湾と米国が接触しても「台湾が中国の一部であるという事実」は変わらないと述べており、「台湾独立」を牽制しています。
昨年から続く米国要人の台湾訪問で米台関係の絆が強くなっていますが、それにつれ中国の台湾への牽制や圧力も強くなっています。
日本も台湾へのワクチン贈与や台湾パイナップルの件など、台湾との繋がりが強まっており、日台国交回復も近いのかもしれません。
[あわせて読みたい記事]
参考記事
<美國之音>美两党三位参议员即将访台 与台高层讨论美台关系
http*://bit.ly/3ijf4II
<自由亜州電台>美国参议员旋风访台 宣布捐赠75万剂疫苗
http*://bit.ly/2T5BBOV
<環球網>社评：台当局将美参议员来访当救命稻草
http*://bit.ly/3cmseBg
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