中国ではゼロコロナ政策と呼ばれる厳しい防疫政策が、国民の不満に火をつけ抗議運動まで起こったため、ゼロコロナ政策が徐々に緩和されはじめています。しかし、中国のワクチン接種率が比較的低く、集団免疫が少ないことから、ゼロコロナ政策緩和が公衆衛生に及ぼす潜在的影響や、医療制度が直面する課題について懸念があります。
ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。
中国政府はゼロコロナ対策の緩和を加速しており、北京ではPCR検査場の撤去が進み、深圳では公共交通機関を利用する際や公共の場でのPCR検査陰性を証明する必要がなくなったことに市民が歓喜しています。
中国ではここ数日、1日の新規感染者数の記録を更新しているにもかかわらず、PCR検査や隔離に関する規則を緩和している都市もあります。
SNS上では、多くの都市で検疫措置が緩和されたことを伝える声が聞かれ、クレーンを使ってPCR検査装置を撤去する様子を撮影した動画が話題になりました。
住んでいる住宅の封鎖が解除され、見張り役の防疫員「大白」(白い防護服を着た防疫関係者)がいなくなったことがツイートされました。
一部の有識者は、完全な封鎖解除によって起こりうる健康被害や医療体制への影響がまだ分かっていないため、ゼロコロナ政策が緩和され始めていることに安堵と懸念が混在していると指摘しています。
多くの医学研究者が、中国がゼロコロナを全面解除した場合、新型コロナ感染でどれだけの人が死亡するかを分析しています。 これらの専門家の多くは、比較的低いワクチン接種率と集団免疫の欠如が、新型コロナに対する中国の主な脆弱性であると指摘しています。
全面解除によってもたらされる死亡者数については、さまざまな試算があります。 広西疾控センターの卓家同主任医師は、今年の香港での流行の進展を見ると、中国本土がゼロコロナを全面解除した場合、感染者は2億3300万人以上に急増し、死者が200万人に達する可能性があると指摘しています。
中国と米国の研究者が今年5月に専門誌「ネイチャー・メディシン」に発表した論文では、中国がゼロコロナ政策を全面解除し、ワクチン接種や治療の改善などの安全策をとらなかった場合、150万人以上が感染で死亡するとされています。
彼らの予測によると、世界的に収集されたデータを考慮すると、このシナリオでは感染のピーク時の集中治療の需要は、現在の能力を15倍も上回り、医療崩壊を起こすとされています。
+++++++++++++++++++++++++++++
中国が厳格なゼロコロナ政策にこだわってきたのか分かります。都市封鎖ぐらいしないと、感染拡大が抑えられないということです。
昨年中国では日本よりも早くコロナワクチンの接種が始まっていました。
ところが追加接種はほとんどなく、上海や深圳の私の知り合いも今年は1回も摂取していないと言ってました。
ゼロコロナが緩和されたので、毎日のPCR検査は必要なくなったようですが、外出に時間制限があったり、外出しても開いている店がほとんどなかったり、緩和のありがたみは徐々に失せているようです。
また、ほとんど報じられることはありませんが、白紙運動に参加した人たちの逮捕勾留はこっそりと進んでいるようです。
|
参考記事
<徳国之声>中国若“全面放开”可能有多少人死于新冠?为什么?
|