アントニー・ブリンケン米国務長官は、今後数週間のうちに中国を訪問し、習近平国家主席を含む中国トップと会談する予定だと、ブルームバーグが、匿名の情報源を引用して伝えました。
ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。
匿名の複数の米国政府関係者は、ブリンケン国務長官の中国への訪問の正確な時期については、まだ非公開の段階であるため不明であると述べています。
このニュースは、ブルームバーグが最初に報じ、その後ロイター、CNN、ウォール・ストリート・ジャーナル、その他多くの海外メディアが報じました。
これに対し、国務省の報道官は、発表できる旅程はなく、先にキャンセルされたブリンケン国務長官の中国訪問は「状況が許す限り」行われると述べました。
中国と米国の関係は、2月に米国が中国の「スパイ気球」を自国領空を飛行したとして撃墜したことで凍結状態に陥り、ブリンケン国務長官は予定していた中国訪問を延期することになりました。
懲罰的な経済措置、世界の不安定化に対する相互非難などをめぐって、米中両国間の緊張が高まり続けていますが、米国は両国のハイレベルな交流を回復しようとしており、米中間の緊張は緩和されると予想されています。
ここ数週間、米中軍事的ニアミスが激化しており、台湾海峡での米国とカナダの軍艦による共同作戦中に、中国の軍艦が米国のミサイル駆逐艦から137メートル以内に接近し、危うく衝突する事態もありました。
また、米インド太平洋軍は、中国のJ-16戦闘機が5月26日に南シナ海上空で「安全でなく、専門的でない」方法で米国の偵察機を迎撃した動画を公開しています。
米ホワイトハウス国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官は、中国が「ますます攻撃的になっている」「誰かが傷つくのはそう遠くない」と警告しました。
これに対して中国外交部の汪文斌報道官は、「中国側は『専門的、合法的、合理的』に行動した。わざわざ中国の玄関口まで来て、中国の領海や領空の近くで何らかの接近偵察を行い、力を誇示しようと挑発しているのは米軍の艦船と航空機である」と反論しました。
ホワイトハウス国家安全保障会議のカート・キャンベル調整官(インド太平洋地域担当)は、「中国との連絡経路は開いている」とする一方、「米軍の近くで中国の軍事活動が行われている。軍事作戦に誤算が生じる可能性が存在し、高まっている」と指摘しました。
キャンベル調整官は中国との「適切な外交」を維持することの重要性を強調しましたが、中国当局は潜在的な紛争における米国の意思疎通の試みに反発しています。
先週、中国の李尚福国防部長は、シンガポールで開催されたシャングリラ会合の傍らで、ロイド・オースティン米国防長官との会談を拒否しています。
しかし、カービー戦略広報調整官は、米国は閣僚に中国高官との交流を促しており、進展があったことを明らかにしています。
6月4日に北京で中国の外交官と会って「率直な」会話をしたダニエル・クリテンブリンク国務次官補(アジア太平洋担当)をはじめ、中国と米国の高官の交流も最近行われています。
5月には、ウィリアム・バーンズCIA長官が極秘に中国を訪問したとも報じられています。
さらに、ホワイトハウスのジェイク・サリバン国家安全保障顧問と中国共産党の中央外事工作委員会弁公室の王毅主任も5月にオーストリアで直接会談し、2日連続で約8時間にわたって話をしています。
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米中対立は大々的に報じられますが、水面下では接触を続け、偶発的な軍事衝突を避けようとしているみたいです。
中国外交部の汪文斌報道官は、7日の定例記者会見で、ブリンケン国務長官の訪中について質問されると、「提供できる情報は持っていない」と回答しています。
参考記事
<徳国之声>布林肯传数周内访华 或见习近平