黄大仙の blog

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中国とASEAN、南シナ海での行動規範に関する協議を3年以内に完了することで合意

中国とASEAN東南アジア諸国連合)諸国は13日、南シナ海で繰り返される領有権争いが大規模な武力紛争に発展するのを防ぐため、長らく懸案となっていた不可侵条約の3年以内の完成を目指すことで合意しました。

  米国国営国際放送の美國之音の記事より。

ASEAN東南アジア諸国連合)10カ国の外相と中国・王毅政治局員

  ASEAN東南アジア諸国連合10カ国の外相と中国の王毅・中央外交部トップがインドネシアの首都ジャカルタで会談し、2026年秋までに南シナ海での行動規範交渉を完了させるためのガイドラインに合意したと、AP通信が伝えました。

 

  ガイドラインは、ASEANと中国の共同作業部会は、「1982年の国連海洋法条約を含む国際法に則った、効果的かつ実質的な行動規範に関する交渉を、3年以内もしくはそれ以前に終了させるよう努めるべきである」と謳っています。

 

  また、ガイドラインは、中国とASEANに対し、地域行動規範が法的効力を持つかどうかや、その地理的範囲など、最も争点となっている問題について、さらに協議を重ね、交渉を開始するよう求めています。

 

  インドネシア外務省は、王毅政治局員とのASEAN外相会議後に発表したプレスリリースで、ASEANと中国は、南シナ海における行動規範の交渉を加速させるためのガイドラインについて合意に達したと述べたが、ガイドラインの詳細については明らかにしませんでした。

 

  インドネシアのルトノ外相は、ASEANと中国は南シナ海における行動規範に関する実質的な交渉を加速させるためのガイドラインを完成させたとし、双方はパートナーシップの強化に努めなければならず、中国はオープンで包摂的な地域アーキテクチャを維持する上でASEANの信頼できるパートナーでなければならないと述べました。

 

  ルトノ外相は「中国はインド太平洋地域の平和、安定、繁栄を維持するためのASEANの重要なパートナーであり、経済的には、中国はASEANの第一の貿易相手国である一方、ASEANは中国にとって最大の貿易相手国であり、双方の貿易額は9,750億米ドルにのぼる」と述べています。

 

  中国とASEAN2002年、南シナ海の領有権を主張する国々に対し、島や岩礁の占拠を含め、武力衝突を誘発しかねない攻撃的な行動を控えるよう呼びかける非強制的な条約に調印したものの、違反行為は後を絶ちません。

 

  約10年前、中国が南シナ海で最も係争の多いスプラトリー諸島7つの島と岩礁を人工島に拡大し、ミサイル発射基地を含む軍事施設を設置したことは、南シナ海の主権を主張する他の国々や米国、その同盟国の警戒心を引き起こしています。

 

  緊張が高まるなか、ASEANと中国は行動規範の交渉に合意しました。しかし、南シナ海の行動規範に関する交渉は、中国と他の領有権主張国との間に大きな意見の相違があるため、何年も遅れています。

 

  中国は、紛争海域における外国勢力の存在と活動を制限する行動規範を提案しています。

 

  しかし、協議に参加しているアメリカの同盟国は中国の提案に反対しています。なぜなら、米国は紛争中の南シナ海で中国に対抗する重要な役割を担っていると考えているからです。

 

  中国は、歴史的な『九段線』に基づき、南シナ海のほぼ全域の主権を主張しています。その最も遠い地点は中国本土の沖合1,500キロメートル以上にあり、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイインドネシア200海里の経済的排他水域(EEZ)を侵犯しています。

 

  中国は何十年もの間、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾など、南シナ海の領有権を主張するアジアの国や地域と紛争を続けてきました。

 

  南シナ海には石油やガスなどの海底資源が豊富にあると考えられています。また、南シナ海は世界で最も賑やかな海上貿易ルートのひとつでもあり、毎年数兆ドル相当の物資が通過しています。

 

  20167月、ハーグにある国連常設国際仲裁裁判所は、フィリピンが2013年に南シナ海で中国を提訴したことに対し、中国の『九段線』の主張の違法性と無効性に関する最終裁定を下しました。

 

  判決には、中国がフィリピンの排他的経済水域と大陸棚に対する主権を侵害したこと、中国は『九段線』に基づく南シナ海の天然資源に対する歴史的権利を有していないことなども盛り込まれています。

 

  中国は常設仲裁裁判所の権限を認めておらず、この仲裁の結果は『ただの紙切れだ』と主張して受け入れていません。

 

  米国は南シナ海の係争海域の領有権こそ主張していませんが、戦略的に重要な国際海域における航行の自由の権利を主張しています。

 

  また、中国が近年、南シナ海の一部の島や岩礁を積極的に軍事化していることを受け、航行の自由を促進し、中国のいわゆる領海主張に挑戦するため、この海域を巡航する艦艇や戦闘機を派遣しています。

 

  南シナ海の係争海域は、アジアやその他の地域における米中の広範な対立における微妙な戦場となっており、海上作戦をめぐる米中の緊張の火種となっています。

 

  王毅政治局員は会談後、メディアの取材に応じず、「会談はうまくいったか」との質問にも、手を振っただけで立ち去りました。

 

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  南シナ海が安定してくれるのは、とてもありがたいことなのですが、中国主導で、中国に都合の良い『南シナ海での行動規範』が作られてしまわないことを祈るばかりです。

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参考記事

<美國之音>中国与东盟同意三年内完成南中国海行为准则的谈判

https://x.gd/OD41O