新型コロナの脅威はいまだに収まらず、米中対立は激化する一方で、すでに米中戦争状態だという声も大きくなってきています。そしてもう一つ現在世界を襲っている危機が食糧危機。他の2つに比べてあまりクローズアップされることのない食糧危機ですが、確実に全人類に迫ってきています。
人類が誕生してから600万年とも言われていますが、文明を持つようになってせいぜい1万年足らず。農業革命によって食料の大量生産に成功し、食料を確保することに莫大な時間を費やす必要がなくなり、生活に余暇が生まれ、動物の一種に過ぎなかったヒトが、文化文明を持つ人間へと進化しました。
食糧を安定して確保できるようになって初めて、ヒトは文化部運命を持つ人間になったと言っても過言ではありません。しかし有史以来何度も訪れた飢饉によって人類は他民族を滅ぼし、王朝や国家を転覆させてきたのも事実です。
それほど人間にとって大事な食糧ですが、現在未曾有の危機が迫ってきています。私のブログでもそのいくつかをお知らせしてきました。
まず最初に伝えたのは中国で大流行したASF(アフリカ豚熱)でした。
ウイルスに感染したら殺処分。改正法成立。 ASFのことですが。
ウイルスに感染したら殺処分。改正法成立。 ASFのことですが。 - 黄大仙の blog
ASFは以前はアフリカ豚コレラと呼ばれていました。流行は2018年から始まっており、今現在も中国を始めアジア·アフリカの広い範囲で発生中の豚の伝染病です。有効なワクチンはなく、発症した豚は殺処分するしかない恐ろしい伝染病です。
中国では米中貿易摩擦で米国産の豚肉が入ってこなくなったためにロシアから豚を輸入しましたが、その中にASFに感染した豚が混じっており、中国内に広がったとする説が有力です。
ASFに感染した豚が見つかると、その養豚場だけでなく周囲のかなり広い範囲の養豚場の豚を殺処分するため、中国では豚肉が不足し価格が高騰しています。
中国は全世界の豚肉の1/4を消費しているため、中国での豚肉不足の影響が世界中に及ぶのは想像に難くありません。そしてASFの流行はまだ終わっていません。
バッタも食糧にとって脅威です。サバクトビバッタというバッタがアフリカで大発生し、それがインド·パキスタンに広がり穀物を食い荒らしています。
中国政府 人民解放軍精鋭部隊10万をパキスタンに派兵。 - 黄大仙の blog
サバクトビバッタ大発生、蝗害による食糧被害が人類を襲う
サバクトビバッタ大発生、蝗害による食糧被害が人類を襲う - 黄大仙の blog
バッタは2月頃は4000億匹でしたが、今は500倍に増殖したと伝えられており、実際のところは数が多すぎて数えきれなくなっているようです。1つのサバクトビバッタの群れは1平方キロメートルあたり約4,000万匹いて、1つの群れが1日に3万5,000人分の食料を食べ尽くしているそうです。
バッタを退治する農薬はあるのですが、強烈なので農薬のついた穀物は食糧にならないそうです。さらに新型コロナの流行により、国際的な流通がストップし、農薬の生産にも影響が出て十分な農薬の確保ができない状況だそうです。
農作物を食い荒らす4000億匹のバッタ その後どうなった?
農作物を食い荒らす4000億匹のバッタ その後どうなった? - 黄大仙の blog
農民にバッタを捕獲してもらい、国や地方政府が買い取る制度も実施されましたが、焼け石に水程度の効果しかなかったようです。
サバクトビバッタは今のところ中国までは侵攻していませんが、中国ではツマジロクサヨトウという蛾が大量発生しました。
サバクトビバッタはインドへ、中国にはもっと怖い害虫ツマジロクサヨトウが
サバクトビバッタはインドへ、中国にはもっと怖い害虫ツマジロクサヨトウが - 黄大仙の blog
そして中国での食糧生産に大打撃を与えたのが、6月から続く大雨と洪水による被害でした。
7月頃から洪水の被害状況のほとんど伝えられなくなってしまいましたが、26の省で6000万人以上が被災したと伝えられています。農業の被害も莫大なものと予想されます。
そして最近話題になったのが、習近平首席による食品の浪費禁止令。
習近平が食品浪費を禁止 湖南省ではオーダー前に体重測定 - 黄大仙の blog
中国の食糧不足が目前にまで近づいているようです。もっとも習近平首席の食品の浪費禁止令は、アメリカとの戦争準備だとする説もあるのですが。
いずれにいても食糧危機には備えないといけませんね。最近は講師が盗まれたり、農地から農作物がごっそり盗まれる事件が続いているようですが、どこかで加工されてどこかの国に送られているのかもしれません。