中国軍機25機が台湾空域へ侵入　今年最大規模

台湾の南西部防空識別圏に中国軍機25機が侵入しました。1日の軍用機数としては過去最多です。

　　4月12日に中国人民解放軍の軍用機25機が、台湾南西部の防空識別圏に侵入したと台湾国防部が発表しました。。

　　挑発行動は起こすが武力衝突は起こさない、紛争と平和の間の曖昧な状態をグレーゾーン・コンフリクト(gray-zone conflict)と呼びますが、中国の「グレーゾーン・コンフリクト」が今後台湾の最大の脅威であると警告する有識者もいます。

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　　　　　　　　　　運8対潜機

　　ブリンケン米国務長官が11日に、中国の台湾に対する攻撃的な行動に懸念を表明したことを受け、中国は12日に台湾南西部の防空識別圏に軍用機25機を侵入させました。

　　中国軍機が台湾の防空識別圏に入ったのは10日連続であることに加え、昨年9月に台湾国防部が中国軍機の台湾への侵入を公表し始めて以来、中国軍機の台湾への侵入機数が最も多くなっています。

　　12日に侵入した中国軍機は、運8対潜機2機、空警500号早期警戒機1機、殲10 4機、殲16 14機、轟6K 4機の合計25機で、台湾空軍は航空パトロール隊を派遣して対応し、警告放送や対空ミサイルによって追い払いました。

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　　　　　殲10戦闘機

　　台湾の国防安全研究所の蘇紫雲氏は、中国軍25機は、米国の空母打撃群に関連した航空作戦のために派遣されたと分析しています。

　　米国務省の報道官は、中国が台湾に恐喝的な活動を続けていると指摘し、中国政府に対しては、軍事的、外交的、経済的な台湾への圧力をやめ、台湾との意味のある対話を行うよう求めています。

　　ブリンケン国務長官は11日に、力ずくで西太平洋の現状を変えようとすることは「重大な過ち」であると警告しました。

　　米国のシンクタンクである戦略国際問題研究所のアジア上級顧問であるボニー・グレイサー氏は、中国が軍用機を台湾空域に侵入させ攪乱する戦術を「グレーゾーン・コンフリクト」としており、今後台湾にとって最大の脅威となるのは中国の「グレーゾーン・コンフリクト」であると述べています。

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　　　　　殲16戦闘機

　　台湾は中国の「グレーゾーン・コンフリクト」のために、台湾空軍への圧力や軍用機の維持費の面で、高い負担を負わせることになるとボニー・グレイサー氏は主張しています。

　　「最終的に中国は、このグレーゾーン・コンフリクトの圧力を利用して、台湾の人々に中国の一部になる以外の選択肢はないと思わせたいのです」

　　台湾の淡江大学国際問題・戦略研究所の黄介正教授は、「グレーゾーン・コンフリクト」は本格的な戦争とは違うが、中国はこの方法で台湾に大きな圧力をかけていると主張しています。

　　「中国のグレーゾーン・コンフリクトは、台湾の作戦能力に一定の圧力をかけることができます。台湾は、このような戦術による脅威に特に注意を払うべきだと思います」。

　　台湾国防部のシンクタンクも11日、中国の「グレーゾーン・コンフリクト」についての評価を発表し、中国のこのような非武力的な拡張戦術が常態化しており、このようなやり方では、攻撃された側も軍事力で対応すべきか警察力で対応すべきか迷い、意思決定の時間が長くなる可能性があることを警告しました。

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　　　　　　　　　　轟6K爆撃機

　　これに関連して、国防委員会国家安全保障研究所の李俊毅准研究員は、中国の「グレーゾーン・コンフリクト」は、武力による非防衛的な対応を徐々に行うことで生まれる既成事実であり、この現象は南シナ海だけでなく、台湾の防空識別圏でも発生すると分析しています。

　　これは、隣国や米国がグレーゾーン・コンフリクトに効果的に対抗することが困難であると中国が判断し、この戦略によって中国に有利な環境を作り続けることを決定した可能性があると、李俊毅准研究員は指摘しています。

　　中国は日本の尖閣諸島に対しても、グレーゾーン・コンフリクトを仕掛けているようです。

参考記事

<徳国之声>中国派25架军机扰台专家: 冲着美军舰而来

http*://bit.ly/3uQMbqE

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