米国国務省が7月1日に発表した、2021年版世界各国の人身売買に関する年次報告書は、17カ国が人身売買対策のための行動が不足し、 差別的な政策が人身売買を助長していると述べています。報告書では、中国の新疆ウイグル自治区で「強制労働の広範な政策」があるとしています。
米国政府が運営する国際メディアの美國之音の記事より。
2021年版の「人身売買報告書」は、2020年4月1日から2021年3月31日までの間に、米国を含む世界188の国と地域で行われた人身売買対策の取り組みを評価したもので、 米国国務省がこのような報告書を発行するのは今年で21年目になります。
ブリンケン米国務長官は、報告書の本文に先立って発表したメッセージの中で、今年の「人身売買報告書」は、新型コロナウイルスの大流行や気候変動などの世界的な危機や、根強い差別的な政策や慣行が、すでに抑圧されている個人に不均衡な影響を与えていることを、世界に向けて力強いメッセージとして発信していると述べています。
「これは世界的な危機であり、人間の苦しみの甚大な原因となっている。子どもを含む約2,500万人が人身売買の被害者であると推定されています。この犯罪は人権に対する冒涜であり、 人間の尊厳を冒涜しています。」
「人身売買の撲滅に本気で取り組むなら、組織的な人種差別や性差別、その他の差別との戦いにも取り組まなければなりません」とブリンケン国務長官は述べています。
今回の報告書で、米国が人身売買と体系的な人種差別とを結びつけたのは初めてのことです。
昨年、アメリカの黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警官に殺害された事件が、国内外で抗議の声を上げて以来、アメリカではアフリカ系アメリカ人に対する組織的な差別を含めた扱いが再検討されています。
中華人民共和国について、「政府による強制労働政策、特に新疆ウイグル自治区の強制収容所は、職業訓練と称して人種や宗教の差別を目的としており、強制労働はこの抑圧に用いられる中心的な戦術であることが知られている」と報告書は指摘しています。
報告書によると、「新疆ウイグル自治区では、当局が暴力、強制的な投薬、身体的・性的虐待、拷問などを用いて、 新疆ウイグル自治区または外部の工場や職場で、衣類、履物、カーペット、糸、食品、装飾品、建築資材、太陽光発電装置などの再生可能エネルギー部品や材料、家電製品、寝具、ヘアケア製品、クリーニング製品、マスク、化学薬品、医薬品、その他を生産するように被拘禁者に強制しており、これらの強制労働で作られたマスク、化学薬品、医薬品などの商品はすでに、世界中の企業や家庭に入り込んでいます」と報告しています。
日本については、「外国人技能実習制度が、外国を拠点とする人身売買業者と国内の業者が外国人労働者を搾取するために悪用され続けている。問題があるとの報告が続いているにもかかわらず、日本、政府は十分な対応をとっていない」と報告書は指摘しています。
国務省の「人身売買報告書」では、人身売買に対する国の取り組みをもとに4つのカテゴリーに分けています。最高がカテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー2監視リストと続き、最悪がカテゴリー3になります。
最悪のカテゴリー3に挙げられているのは17カ国あり、中国、北朝鮮、ロシア、イラン、ミャンマーなどが挙げられています。
気になる日本ですが、日本は2番目のカテゴリー2に挙げられています。日本の国会や経済界が新疆のウイグル人ジェノサイドを見殺しにしていることを考慮すると、2番目に良いカテゴリー2ではお尻がむず痒くなります。
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参考記事
<美國之音>美公布本年度《人口贩运问题报告》 中国仍被列为表现最差的第三类
http*://bit.ly/3ykqKQg
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