フィリピン軍と米軍は3日、南シナ海で軍事演習を開始しました。中国との緊張が続く同海域での両軍による演習は、この2か月足らずで2回目となります。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
演習に参加するのは、空母、巡洋艦、駆逐艦2隻を含む米インド太平洋軍の艦船4隻とフィリピン海軍の艦船4隻です。
報道によると、2023年、南シナ海における中国とフィリピンの対立はエスカレートしており、双方は互いに挑発的な行動や軍事摩擦の事件を非難しています。
これに対し、米国とフィリピンは昨年11月に初の合同演習を実施し、台湾周辺海域とフィリピンが排他的経済水域と主張する南シナ海を3日間にわたってカバーしました。
現在、米比両国は2回目合同演習を実施しました。両国は、合同演習の目的は国際秩序を維持し、インド太平洋地域の自由と開放性を確保するためだと主張していますが、外部からは、このような行動は中国の不満をさらに誘発しかねないという見方が一般的です。
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昨年12月初旬、中国船がフィリピン船に放水銃を放射して妨害したと、フィリピン政府が中国を避難しました。
フィリピンが中国の「違法で攻撃的な行為」非難、南シナ海で海警局が放水砲を使用 - YouTube
中国船によるフィリピン船への放水銃放射は、昨年8月にも動画が公開されています。
中国は南シナ海に独自に「九段線」を引き、領有権を主張しています。
地図を見ても明らかなように、舌のように南に伸びた領域は、周辺諸国が領有権を主張する海域と干渉しています。
周辺国の一つフィリピンが、領有権争いを解決するために、仲裁裁判所に訴え、2016年7月12日に下った裁決は、九段線は国連海洋法条約(UNCLOS)違反であり、無効とするものでした。
これに対して中国は猛烈に反発し、「南海における中国の領土主権と海洋権益はいかなる状況下でも裁定の影響を受けず、中国は裁定に基づくいかなる主張と行動にも反対し、受け入れないものである」と宣言し、2020年4月18日には南シナ海に行政区を設置し、領有権主張をますます強めてきました。
仲裁裁判所には裁決に対する強制力がなく、当時国が裁決を守らなくても何もできません。
フィリピンのマルコスJr.大統領は、就任時に自国の主権と領土保全を守ることを誓っており、中国フィリピン双方が領有権を主張する黄岩島付近で2023年9月に浮体式防壁を解体するなど、対立を恐れていません。
中国船が連日接続海域に出没する尖閣諸島周辺海域に関しても、日本政府はマルコスJr.大統領のように、毅然とした態度を示してほしいものです。
参考記事
<自由亜州電台>中菲南海冲突不断升级 美菲开展联合巡逻