フィリピン軍は1月4日、領土問題で緊張が高まっている南シナ海で、米比合同軍事演習中の艦艇を、中国海軍の艦艇2隻が追跡していたと発表しました。
米国国営国際放送の美國之音の記事より。
フィリピン軍広報室長のクセルクセス・トリニダードは、「我々は、2隻の中国海軍艦艇が海上合同活動の参加者を遠くから尾行していることを確認した」と述べました。
西フィリピン海における2カ月足らずで2度目となるフィリピン軍と米軍の2日間の海上合同演習は、4日に予定通り終了しました。南シナ海のこの海域はフィリピンにとって西フィリピン海として知られています。
合同演習に先立ち、中国政府はフィリピン政府に対し、南シナ海でエスカレートしている紛争において、いかなる誤算も断固とした対応を招くと警告しています。
トリニダード広報室長は、「我々は、中国や他の外国が我々の主権と国際法に沿った活動を行う権利を尊重することを期待している」と述べました。
今回の米比合同演習は、中国軍が3日から4日にかけて南シナ海で海軍と空軍の定期軍事演習を実施していると発表したタイミングで行われていますが、演習の正確な場所については明らかにしていません。
中国とフィリピンはここ数カ月、南シナ海でのいくつかの衝突をめぐって非難を交わしてきました。中国が先月、フィリピン軍の参謀総長を乗せた船に体当たりしたという疑惑もあります。
フィリピン軍は、今回の合同演習にはフィリピン海軍の艦船4隻と、空母、巡洋艦、駆逐艦2隻を含む米インド太平洋軍の艦船4隻が参加したと発表しました。
中国は南シナ海のほぼ全域の主権を主張しています。南シナ海は年間3兆ドルを超える船舶貿易の窓口であり、フィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ブルネイが含まれます。
常設仲裁裁判所は2016年、中国の主張には法的根拠がないとの裁定を下しましたが、中国はこの裁定を受け入れることを拒否しています。
参考記事
<美國之音>菲军方:两艘中国船只跟踪菲律宾和美国船只