黄大仙の blog

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なぜ中国は若年失業率を再び発表し始めたのか? エコノミストは困惑

数カ月にわたって若年失業率の公表を停止していた中国が、ついに修正された方法論に基づく新しい数字を発表しました。新しい統計手法から導き出された中国の若年失業率は、公表停止前から急激な改善を示していました。しかし、一部のエコノミストは、この新しい数字についてまだよく分からないと主張します。

  フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。

失業率の計算方法を『改善』した?

  中国当局は、より正確な数字を出すために若年失業率の測定方法を調整したといいます。

 

  しかしエコノミストたちは、それで中国経済を覆っている暗雲を払拭できるのか疑問視し、中国がどのようにして新しい数字を導き出したのか、謎のままだと言う人もいます。

 

  中国は17日に、昨年12月の若年失業率が14.9%だったと発表しました。

国家统计局调整完善分年龄组失业率统计

 

  昨年6月の記録的な若年失業率の高さは、中国経済がその足場を取り戻すのに苦労している昨年、大きな話題となりました。

 

deepredrose.hatenablog.com

 

  中国当局は、学生を測定に含める方法を変えることでこの数字になったとほのめかしました。

 

  エコノミストたちは、若年失業率の数値が1ヶ月修正されただけでは、雇用市場の状況が改善したと国民を安心させるには不十分であり、中国の公式統計の正確性に対する長年の疑念を払拭するには至らないと指摘しています。

 

  ハンセン銀行のチーフ・エコノミストである王丹氏は、現時点で測定値を調整することは、公式データに対する国民の不信感を悪化させる可能性さえあると述べています。

 

  新データの発表は、中国の指導者たちがここ数週間、国民に経済についてより前向きな見方をするよう呼びかけるのに苦労している中で行われました。

 

  今月初め、共産党幹部は中国宣伝部門の責任者に「中国経済の明るい未来を宣伝する」よう促し、習近平国家主席が議長を務めた先月の党内会議での発言を繰り返しました。

 

deepredrose.hatenablog.com

 

  中国国家統計局は、現在の若年失業率の計算では、学業を終えた人や学校に在籍していない人など、実際に仕事を必要としている人に焦点を当てるため、フルタイムで学校に在籍している16歳から24歳までの約6200万人を除外しているとしています。

 

  中国国家統計局は、新しい計算方法の詳細や旧方式との比較を行っていません。

 

  重要な謎は、中国国家統計局が以前、ほとんどの学生をカウントしていないと述べていたことである。

 

  旧数値の公表を中止する前の6月、国家統計局は16歳から24歳の総人口は約9,600万人だが、働いているか求職中の人は3,300万人に過ぎず、約6,300万人が労働力の定義から外れていると発表していました。

 

  エコノミストが直面しているもう一つの問題は、中国国家統計局が過去の若年失業率を再計算していないことです。

 

  統計機関は統計規則を書き換える際、過去のデータを再計算する傾向があります。しかし、中国国家統計局は最新1ヶ月分のデータしか発表せず、過去のデータの再計算を行なっていないのです。

 

  「その結果、誰が失業者としてカウントされるのかがより明確になり、より長期間のデータを調査できるようになるまでは、中国の若年失業率が良くなったのか悪くなったのか、そしてその理由を把握するのは難しい」と一部のエコノミストは指摘します。

 

  さらに、全日制の学生を失業者名簿から完全に除外することは一般的ではありません。米国では、高校や大学に通っている学生であっても、過去1ヵ月以内に求職活動を行い、2週間以内に働き始めることができれば失業者としてカウントされますが、求職活動をしていない場合には、労働力として分類されません。

 

  失業率やその他の労働市場指標の統計基準は、スイスのジュネーブに本部を置く国連機関、国際労働機関によって定められています。

 

  国際労働機関の広報担当者は、「学生を失業率の測定から除外することは国際労働機関の基準と矛盾している」としながらも、「今回の変更が中国の労働市場データに与える影響を十分に評価するには、まだ十分な情報がない」と述べています。

 

  中国は昨年8月から、若年失業率の公表を中止していました。この決定は、企業、投資家、エコノミストから、世界第2位の経済大国を理解するための重要なデータを奪うことになりました。

 

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  習近平は国家安全保障を優先しており、当局の情報統制が強化されるにつれ、中国経済と企業の状況はより不透明になっています。

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  中国当局の突然の若年失業率の公表再開には、各国のエコノミストたちも困惑しているようです。

 

  集計方法を変更したとはしていますが、詳細は不明のままだし、過去データの再計算も行われていなければ、データの連続性も失われており、失業率が改善されているのか悪化しているのか判断できません。

 

  もし、昨年6月の若年失業率21.3%と、今回発表の昨年12月の若年失業率14.9%の数字だけを比較して、『中国の若年失業率は改善されている』と解説するような人を見かけたら、印象操作で騙そうとするペテン師か、データ集計もわからない『おバカ』と断じて良いでしょう。

 

  いつものことですが、中国の統計データを信用する人はいませんよね。

 <久しぶりに発表された失業率は下記記事の最後に紹介しています。>

deepredrose.hatenablog.com

 

参考記事

<rfi>中国为何重新发布青年失业率?华日:经济学家摸不着头脑

https://x.gd/hr5Mr