インドのメディアが25日に、数日前中印国境のシッキム州でインド軍と中国軍とが衝突し、インド軍に4名の負傷者が、中国軍に20名の負傷者が出たと報じました。中国環球時報はフェイクニュースと糾弾しました。
フランス政府に設立された国際メディアのrfiによりますと、中印国境のシッキム州のナクラ地域(ネパールとブータンとに挟まれた地区)で、両軍兵士の対立と喧嘩が発生し、インド軍兵士4人、中国軍兵士20人が負傷したと、インドメディアが報じました。
インドメディアtimesの報道によると、中印国境の軍事的緊張が高まる中、20日に中国軍側がインド領土へ越境侵攻を試み、中国軍とインド軍がナクラ地域で衝突し、インド軍兵士4人、中国軍兵士20人が負傷しました。両軍兵士は、しばらく緊迫した状況であったが、事態は収束に向かったとしています。
中国の公式メディアの環球時報は、両軍兵士の対峙事件は認めましたが、負傷はおろか両軍の衝突も無かったと、インドメディアの報道を非難しました。
中国の軍事専門家は、インドのメディアはしばしば、」フェイクニュースで国民を混乱させ、このようなことは長期的に観れば、自国の評判と国益を損ねることになると述べています。
環球時報の胡錫進編集長は、「インドメディアの報道は基本的に虚偽です。 人民解放軍最前線のパトロール記録には、関連する記録がありません。」と述べています。
インド軍と中国軍は24日午前に、両軍兵士の対峙事件による国境の膠着状態が続く中、昨年11月6日以来数ヶ月ぶりに9回目の軍事首席級会談を行いました。
軍事首席級会談は、インドの第14軍団司令官メノンと中国の南部国境軍事地域司令官柳林がそれぞれインドと中国を代表して開催されましたが、その詳細はまだ発表されていません。
中国外交部は、中印双方がこの問題に関する情報を可能な限り早く公開するとしています。
インド側が先に現場から撤退するように、中国側が主張したため、両者は当面の間、撤退の詳細について合意に達することができなかったと、インド軍の高官は述べています。
インドのシン国防相は、中国側が率先して部隊を撤退させない限り、インドは国境沿いの軍事力を減らさないと明言し、中国は中印国境沿いには猛スピードでインフラを建設していると指摘しています。
その後、インド軍はナクラ地区での対峙は些細なものに過ぎず、現地司令官によって解決されたと声明を発表し、メディアに虚偽の報道を誇張するのをやめるよう促しました。
清華大学国家戦略研究院研究部の任銭峰部長は、「インドのメディアはいつも外国軍の犠牲者数を誇張するのが得意で、今回の報道によると、インドは中国側との睨み合いで『相手の5倍の戦果を上げた』と国内の人々にアピールしている。」と述べています。
任銭峰部長は続けて、「インドの 軍隊が待機し、うまく対処していると報じて、インド軍の勇敢さ無敵さを国内に広めている」と指摘しています。
中印国境では昨年6月にインドと新疆ウイグル自治区との国境地域にあるガルワン渓谷で、インド軍側に20名の死者を出す衝突がありました。
今度はインドとチベット自治区との国境で、大きな被害の出る衝突が起きたかと思いましたが、インドメディアのフェイクニュースだったようです。
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参考記事 *>s
<環球網>印军方证实所谓“中印爆发新边境冲突”被夸大,专家:印媒损害的是本国利益
http*://bit.ly/36fsxe1
<rfi>中印边境到底又斗殴否:印4伤解放军20伤 环时斥造谣
http*://bit.ly/3a5ZkmK