中国税関がオーストラリア産ラム肉と木材の輸入を規制しました。中国は「武漢は2019年にオーストラリアから牛肉、エクアドルから海産物を輸入しており、コロナウイルスは冷蔵肉に付いて中国に入ってきた可能性がある」と主張しています。
南半球最古の新聞であるオーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH)の報道によりますと、中国の税関がラム肉と木材の輸入を制限したため、世界的な格付け機関であるS&Pは、現在進行中の紛争が経済の足を引っ張る可能性があると警告しています。
SMHの記事によりますと、オーストラリア産ラム肉大手2社は、8月の新型コロナの第2波流行により中国への輸出を規制され、その後業務を再開していました。
オーストラリア政府は、外交ルートを介して中国市場へ戻れるように再交渉しようとしていますが、オーストラリアがコロナウイルス発生の過程を国際機関で調査することを提唱し、さらに香港問題で苦言を呈し、そして南シナ海の環礁の軍事基地化に反対し、国防軍艦船に環礁付近を航行させたことで中国側は大臣級の窓口をすべて閉じてしまいました。
中国はオーストラリア産羊肉の年間7億5,000万ドルの市場となっています。
また、中国は「害虫がついていた」として、11月2日からオーストラリア・クイーンズランド州とビクトリア州からの木材の輸入を停止し、12月7日からはタスマニア州と南オーストラリア州の木材も輸入停止にしました。
中国は輸入冷凍食品の梱包から新型コロナウイルスが見つかったことから、「武漢は2019年にオーストラリアから牛肉、エクアドルから海産物を輸入しており、コロナウイルスは冷蔵肉に付いて中国に入ってきた可能性がある」と主張し、オーストラリアに濡れ衣を着せようとしています。
オーストラリアは新型コロナの発生起源について独立調査を提案し、5月18日の世界保健総会(WHA)で可決されました。
中国は発案者のオーストラリアに激怒し、報復として直ぐに牛肉輸入禁止、大麦への関税上乗せを決定し、オーストラリアへの留学、旅行を禁止しました。
さらに中国は、審判中だったオーストラリア人に死刑判決を下し、死刑を廃止しているオーストラリア国民に衝撃を与えました。
モリソン首相はすぐに中国政府に抗議し、減刑を要求しましたが中国には馬耳東風でした。
その後オーストラリアも、香港との犯罪者引き渡し協定の停止、南シナ海での中国の主権を否定して軍艦を派遣しました。
オーストラリアは中国の太平洋での軍事活動を牽制するために、日本と相互アクセス協定に合意するなど、中国への対抗策も進めています。
中国は11月に一部の木材の輸入を禁止し、豪州ワインに212%もの高関税をかけてオーストラリア虐めの手を緩めず、そして12月にはラム肉の輸入停止、追加の木材輸入停止を決め、虐めは益々激化しています。
中国に経済的に依存してしまうと、このように虐めのターゲットになるリスクがあることを、日本人はもっと認識すべきだということを教えてくれています。
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参考記事 (*>s)
<The Sydney Morning Herald>China freezes out Australian lamb, hits timber with new bans
http*://bit.ly/39Zmg8Q