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ワクチン外交は失敗か?ASEANでは中国不信が広がる

新型コロナパンデミックが猛威を振るう中で、中国はASEANでもワクチン外交を繰り広げていますが、その結果、戦略的な影響力を獲得しているのでしょうか。シンガポールASEAN10カ国を対象にした調査で浮き彫りになったこととは?

 

  アメリカに拠点を置く短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事によりますと、シンガポールISEAS-Yusof Ishak InstituteASEAN10カ国を対象にした調査では、6割以上の回答者が「中国を信用していない」と回答していることが分かりました。

 

   もしアメリカと中国のどちらかを選ばざるを得ないとしたら、約61%の回答者がアメリカを選ぶだろうと回答しています。 ASEAN諸国の中国への信頼度が下がり続けるのはなぜなのでしょう?

 

  シンガポールISEAS-Yusof Ishak Instituteが実施した調査は、今回で3回目で、ASEAN10カ国の1,000人以上の学者、政府関係者、ビジネスマンにインタビューして実施されました。

 

  44%が、中国が流行中に最も多くの援助を地域に提供したことを認めましたが、それにもかかわらず、63%の回答者が中国を信頼しておらず、中国が世界に貢献するために正しいことをするとは信じていないことがわかりました。

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  中国のワクチン外交は、必ずしもうまくいっていないようです。その理由は、シンガポール国立大学の庄嘉颖准教授も指摘しているように、各国が中国が開発したワクチンの品質に疑問を持っているだけでなく、中国当局が新型コロナ流行初期に情報を隠したことにも不満を持っているからです。

 

  庄嘉颖准教授は「中国はワクチンを寄付しているが、シンガポールを除いて、多くの国で流行が深刻化しており、もし中国が隠蔽せずに直接向き合って流行をコントロールしていたら、今の状況は悪くなかったかもしれないと感じている人が多い。」と述べています。

 

  南シナ海の主導権争いも、中国とASEAN諸国との障害と見られています。中国は南シナ海問題については、相手側と交渉したいと思っているのではなく、むしろ攻撃的な感情を持っています。

 

  人民解放軍の軍用機は南シナ海から台湾海峡東シナ海まで、広範囲に絶え間なく飛んでいて、人々の中国当局者に対するネガティブな印象を強固なものにしています。

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  実際に東アジアは米中の綱引きの戦場となっており、南シナ海では人民解放軍と米国海軍空母打撃群が対峙しています。シンガポールの調査では、米中どちらかを選ばざるを得ない場合には、61%が米国を選ぶと回答しています。

 

  ワクチン開発の事例では、米国は透明性があり、検証プロセスの信頼性も十分にあるが、中国にはそれらが無いと感じている人が多くいました。

 

  ASEAN諸国では中国に対する印象が悪く、信頼性が低いようです。日本でも対中感情は悪化しているようですので、中国はワクチン外交を頑張るだけでは不十分で、各国への援助金を増やさなくてはいけませんね。

 

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