春節を約2週間後に控え、台湾の蔡英文総統は台湾北部にある「陸軍特戦指揮部北部部隊」や「陽明山嵩山レーダー基地」を視察しました。
蔡英文総統は、春節(2021年は2月12日)を控えた1月25日に、台湾北部の「陸軍特戦指揮部北部部隊」や「陽明山嵩山レーダー基地」を訪問し、「国民が安心して日常の生活を送り、安心して年を越せるのも、国軍兵士が持ち場から離れず、24時間体制で領空・領海を守っているからこそだ」と感謝の意を表しました。
蔡英文総統は、最初に台湾陸軍特殊作戦司令部北部部隊を訪問して、任務の説明と実戦訓練の案内を受け、次に陽明山嵩山レーダー基地を訪問して、将校や兵士の作業場や生活施設を見学しました。
陽明山嵩山レーダー基地で行った訓話では、昨年から現在に至るまで、このレーダー基地では中国軍機を2,000機近く、中国艦船400隻以上の存在を確認したことに触れ、「これによって我々は迅速に現場へ兵力を派遣して監視・駆逐を行い、台湾の領空・領海を全面的に守ることが出来ました。」と兵士たちを慰労しました。
蔡英文総統は、国軍兵士の優れた働きぶりを、台湾国民全体も頼もしく思っており、これからも引き続き頑張るよう激励しました。
台湾をはじめ中華圏では現在「年末」で、春節が来て初めて新年を迎えるのですが、蔡英文総統は、当直で春節に帰郷できない兵士たちに対して、「実家に電話をして家族に新年の挨拶をすることを忘れないでください。そして私にかわって、ぜひご家族に感謝の気持ちをお伝えください。」ときめ細かい気遣いを見せました。
蔡英文総統の訪問には、台湾の国家安全保障会議の顧立雄書記長、台湾の厳徳発国防相、台湾の黄曙光参謀長、空軍の熊厚基司令官、海軍の劉志斌司令官、第三作戦区司令官の鍾樹明氏も同行しました。
中国人民解放軍は軍用機を頻繁に出撃させたり、弾道ミサイルやロケットランチャーを台湾対岸に配備したり、台湾武力侵攻をほのめかしたり、台湾に対する脅威は日増しに強くなり、台湾国軍へのプレッシャーもかなり強くなっているものと察せられます。
そのような時に、最高司令官である総統が慰問に訪れれば、軍幹部や兵士たちのモチベーションは上がることでしょう。
日本も尖閣諸島海域には、中国海警船が連日押し寄せてきており、海上保安庁の緊張は想像に余り有ります。来月からは中国海警船は武器使用も可能になるので、なおさら緊張は強まるでしょう。
また、中国軍機の接近による航空自衛隊機のスクランブル発進も、頻繁に行われていると聞きます。
菅首相は沖縄方面の海上保安庁や自衛隊への慰問、激励を実施しないのでしょうか。
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参考記事
<多維新聞>蔡英文视察台军特战部队 称去年至今侦获2000架共机